G-TWFM89DS2W リバランス:長期投資の羅針盤
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リバランス:長期投資の羅針盤

リバランス
ためネコ
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おつかれさまです。ためネコです🐱
今回のテーマは”リバランス:長期投資の羅針盤”です。
定期的に資産配分を調整することにより、リスクとリターンを最適化できます。

​投資の世界でよく聞く言葉にリバランス(Rebalance)があります。これは、直訳すれば「バランスを再調整する」という意味ですが、多くの投資家がこの作業の重要性を見過ごしがちです。しかし、この地味な作業こそが、長期的な資産形成の成功を左右する「羅針盤」のような役割を果たすのです。なぜリバランスが必要なのか、その重要性を詳しく解説します。

​1. リバランスの基本的な定義と目的

​リバランスとは、目標とする資産配分(アセットアロケーション)を維持するために、ポートフォリオ内の資産の比率を定期的にまたは乖離が生じた際に調整する行為を指します。

​投資を始める際、多くの人は自分のリスク許容度や目的に応じて、「株式:60%、債券:30%、現金:10%」といった形で理想的な資産配分を決定します。これが、あなたの投資戦略の土台となる「アセットアロケーション」です。

​しかし、株式市場が好調で株式の価値が急上昇した場合、時間が経つとこの比率は「株式:75%、債券:20%、現金:5%」のように勝手に変化してしまいます。リバランスの目的は、この変化した比率を再び当初の目標比率に戻すことです。

​2. リバランスを怠ると生じる「静かなるリスク」

​「好調な資産の比率が増えるなら、そのまま放っておけばいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、リバランスを怠ることは、知らぬ間にポートフォリオのリスクを増大させることにつながります。

​上記の例で言えば、市場が好調だった結果、当初の「株式60%」というリスクレベルから、「株式75%」というより高いリスクレベルへと、あなたのポートフォリオは静かにシフトしています。もし、その後株式市場が暴落した場合、あなたの資産は当初想定していた以上に大きな打撃を受けることになります。これは、あなたが意図せずして、より攻撃的な投資家になってしまった状態です。

​リバランスをしないということは、あなたが最初に設定したリスク許容度と、実際のポートフォリオのリスクレベルが乖離していくことを意味します。この「静かなるリスク」が、次に市場が大きく変動した際に、あなたの資産形成の目標達成を妨げる主要因となり得るのです。

​3. リバランスがもたらす戦略的なメリット

​リバランスは単なる比率の修正以上の、戦略的なメリットをもたらします。

​メリット①:リスク管理の徹底と規律の維持

​最も重要なメリットは、リスク管理を徹底できる点です。リバランスは、あなたの投資戦略の根幹である「アセットアロケーション」を強制的に守らせる規律となります。これにより、市場の変動に一喜一憂することなく、あなたが設定したリスクの枠内で投資を続けることが可能になります。

​メリット②:感情に流されない客観的な投資判断

​市場が過熱しているとき、人間は「もっと儲けたい」という高揚感から、好調な資産をさらに買い増し、比率を上げがちです。逆に市場が悲観的なときは、「これ以上損をしたくない」という恐怖心から、損失の出ている資産を売却しがちです。

​リバランスは、こうした人間の感情的な判断を排除します。機械的に比率の狂いを修正する作業を通じて、「高くなった資産を売り、安くなった資産を買う」という、投資の基本中の基本を自動的かつ客観的に実行できます。これは、感情に支配されやすい個人投資家にとって、何よりも強力な武器となります。

​メリット③:「自動的な」利益確定と割安な資産の買い増し

​リバランスは、資産の自動売買サイクルを生み出します。

  • 好調で比率が上がった資産:比率を戻すために、一部を売却(=利益確定)。
  • 不調で比率が下がった資産:比率を戻すために、一部を買い増し(=割安な時に購入)。

​これにより、市場の波に逆張りするような投資行動を、意識せずして実行できます。高値で掴み、安値で投げるという多くの失敗パターンを避けるための、極めて有効な手法です。

​4. リバランスの具体的な頻度と実行方法

​リバランスの最適な頻度や方法は、投資家や戦略によって異なりますが、主に以下の2つのアプローチがあります。

​頻度によるアプローチ

  • 定期的リバランス:3ヶ月、半年に一度、または年に一度など、あらかじめ決めた期間で機械的に実行します。市場のノイズに惑わされにくいのが利点です。
  • 乖離率によるリバランス:個々の資産の比率が、目標比率から5%10%など、あらかじめ決めた乖離率を超えた時点で実行します。必要な時だけ行うため、売買コストを抑えられる可能性があります。

​実行方法

  • 売買型リバランス(Trimming/Reallocating):比率が過大になった資産を売り、その資金で過小になった資産を買う方法です。目標比率に最も正確に戻せますが、売買手数料や税金が発生する可能性があります。
  • 入金型リバランス(Contributing):新規の投資資金(給与からの積立など)を、比率が過小になっている資産に優先的に投入することで、徐々に目標比率に戻していく方法です。売却を伴わないため、売却手数料や税金が発生せず、積立投資家にとって最も簡単な方法です。

​5. 結論:リバランスは投資家の「職務」である

​リバランスは、投資で大きな利益を上げるための「派手なテクニック」ではありません。むしろ、地道で堅実な、投資戦略を機能させ続けるためのメンテナンス作業です。

​長期的な資産形成は、あなたが最初に設定したアセットアロケーションという名の戦略に、一貫性をもって従い続けることで達成されます。市場は常に変動し、あなたのポートフォリオを意図した航路から逸らそうとします。リバランスは、そのたびにあなたの投資戦略を正しいコースに戻す、投資家にとっての最も重要な「職務」なのです。

​長期投資の成功を目指すなら、年に一度、あるいは半年に一度は、あなたのポートフォリオを点検し、戦略的な「羅針盤」を調整することを忘れないでください。この規律ある行動が、あなたの資産を次の市場の荒波から守り、着実な成長へと導いてくれるでしょう。

ためネコ
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定期的に資産をメンテナンス(リバランス)することが、より安定的なリターンを生みます。
それでは、また🐱

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