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蓄財コラム

蓄財の第一歩:なぜ「生活防衛費」が最優先なのか?

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​お金を貯めて増やしたい。そう考える方は多いでしょう。NISAやiDeCo、株、投資信託など、さまざまな資産運用の方法がメディアやSNSで取り上げられ、どれから始めればいいのか迷ってしまうかもしれません。しかし、その前に必ず準備すべき「お金」があることをご存知でしょうか。それが「生活防衛費」です。

​多くの人が貯蓄や投資の目標として、漠然と「お金持ちになること」を掲げがちですが、その目標にたどり着く前に、予期せぬトラブルで道半ばで挫折してしまうケースが少なくありません。病気、怪我、リストラ、災害…。人生には、いつ何が起こるかわからないリスクが潜んでいます。こうした不測の事態が起きた時に、あなたの家計と精神的な平穏を守ってくれるのが、この生活防衛費なのです。

​この記事では、資産形成を始める前に、なぜ生活防衛費を最優先に貯めるべきなのか、その具体的な理由と貯め方について、わかりやすく解説していきます。

​1. 生活防衛費とは何か?

​まず、生活防衛費の定義を明確にしておきましょう。生活防衛費とは、「失業や病気、災害など、予期せぬ事態が起きたときに、当面の生活を維持するために必要な資金」のことです。

​「緊急予備資金」「非常時のお金」など、様々な呼び方がありますが、基本的な考え方は同じです。具体的には、「自分や家族が働けなくなった場合に、無収入でも生活していける期間」を想定して貯めるお金です。

​一般的には、「月々の生活費の3ヶ月分から1年分」が目安とされています。独身の方や、手厚い社会保障がある方は少なめでも良いかもしれませんが、扶養家族がいる方や自営業の方、あるいは転職を考えている方などは、より手厚く準備しておくことが賢明です。

​「そんなに大金、貯められないよ…」と思われるかもしれませんが、まずは月々の支出を見直して、無理のない範囲で少しずつ貯めることから始めましょう。大切なのは、完璧な金額を目指すことではなく、今できることから始めることです。

​2. なぜ生活防衛費が蓄財の土台になるのか?

​「早く投資を始めて、お金を増やしたいのに、なぜ現金を貯める必要があるの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。その答えは、「資産を守る盾」として機能するからです。

​投資は、元本が保証されているものではありません。株価の変動や企業の業績悪化によって、資産が大きく減少するリスクを常に抱えています。もし、生活防衛費が十分にない状態で投資に回しているお金を、急な出費のために引き出さなければならなくなったとしたらどうなるでしょうか。

​例えば、急な病気で入院費が必要になったとします。もし、手元に現金がなければ、含み損を抱えたまま投資商品を売却せざるを得ないかもしれません。本来なら長期保有して利益を狙うはずだったものが、損失を確定させてしまうことになります。これは、せっかく始めた資産形成を後退させることにつながります。

​生活防衛費は、こうした「家計の緊急事態」と「大切な資産」を切り離すための緩衝材です。これが十分に確保されていれば、どんな事態が起きても、慌てて投資を解約する必要がなくなり、計画通りに資産運用を続けることができます。つまり、生活防衛費は、「安定した精神状態で、長期的な資産形成を続けるための土台」なのです。

​3. 具体的にどうやって生活防衛費を貯める?

​では、具体的にどうやって生活防衛費を貯めていけば良いのでしょうか。ここでは、そのためのステップをいくつかご紹介します。

ステップ1:月々の生活費を把握する

​まずは、自分が毎月どれくらいの生活費を使っているかを正確に把握することから始めます。家賃、食費、光熱費、通信費、保険料など、すべて書き出してみましょう。家計簿アプリを使ったり、銀行口座の入出金履歴を見直したりすると、簡単に把握できます。

ステップ2:目標額を設定する

​月々の生活費がわかったら、目標とする生活防衛費の金額を決めます。先述の通り、「月々の生活費の3ヶ月分から1年分」を目安に、自分のライフスタイルや家族構成に合わせて設定しましょう。

ステップ3:貯める口座を分ける

​ここが最も重要なポイントです。生活防衛費は、**「すぐに使える普通預金口座」**に預けておくのが鉄則です。しかし、日常使いの口座と同じにすると、つい使ってしまうリスクがあります。そこで、生活防衛費専用の口座を新しく作りましょう。

​「でも、普通預金だと金利が低いから、もったいないのでは?」と思うかもしれません。しかし、生活防衛費は「増やす」ことが目的ではなく、「守る」ことが目的です。必要な時にいつでも引き出せる流動性が最も重要です。

ステップ4:自動積立を利用する

​目標額を定めたら、毎月給料日に自動的に生活防衛費用の口座へ振り替える設定をしましょう。一度設定してしまえば、あとは自動で貯まっていきます。意思の力に頼らず、仕組みで貯めることが成功の秘訣です。

​4. 生活防衛費が貯まったら、いよいよ次のステップへ

​生活防衛費が目標額に達したら、ようやく次のステップに進むことができます。

ステップ5:具体的な目標を設定し、資産形成を始める

​ここからが、本格的な資産形成の始まりです。「将来、いくらのお金が必要か」「いつまでに貯めたいか」など、具体的な目標を立てましょう。老後資金、住宅購入、子どもの教育費など、目的によって選ぶべき金融商品は異なります。

​NISAやiDeCoなど、国の優遇制度を賢く利用しながら、無理のない範囲で、自分が理解できる金融商品から始めてみましょう。

​まとめ

​蓄財への道は、急がば回れです。一見遠回りに見える「生活防衛費を貯める」というプロセスこそが、あなたの経済的な基盤を築き、将来にわたる安心と安定をもたらしてくれます。

​生活防衛費が十分に確保されていれば、人生のどんな困難にも動じず、心の余裕を持って資産形成に取り組むことができます。

​まずは、あなたの家計の状況を把握し、目標額を設定するところから始めてみましょう。今日からの一歩が、あなたの未来を大きく変えるはずです。

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