FIRE:経済的自立と早期リタイアという生き方

おつかれさまです。ためネコです🐱
今回のテーマは”FIRE:経済的自立と早期リタイアという生き方”です。
私も元々、FIREを目指して蓄財を始めました。FIREの種類を知り、ご自身に合った目標を設定してください。
「FIRE」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。近年、世界的に注目を集めるこの生き方は、「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」の頭文字をとったものです。これは単なる早期退職を意味するのではなく、資産運用による不労所得で生活費を賄い、働くかどうかを自分で自由に選択できる状態、すなわち「経済的自立」を達成することを核としています。
FIRE達成の基本的なメカニズムはシンプルです。年間支出の25倍の資産を築き、その資産を年率4%で運用します。この4%の運用益を取り崩すことで生活費を賄い、理論上、資産が尽きることなく生活できるという考え方です。これは、著名な金融理論である「4%ルール」に基づいています。
しかし、一口にFIREと言っても、その達成目標額やライフスタイル、仕事との関わり方によって、いくつかの異なるアプローチが存在します。本記事では、その中でも特に知られている5つの主要なFIREタイプ――ファット(Fat)、リーン(Lean)、サイド(Side)、バリスタ(Barista)、コースト(Coast)――について、それぞれの特徴とロードマップを詳細に解説します。
5つの主要なFIREタイプ:あなたの目指す「自由」はどれか
FIREの魅力は、その目標設定の柔軟さにあります。自身の価値観、収入、そして目指す生活水準に合わせて、目標額やリタイア時期を調整できます。ここでは、その多様な選択肢を代表する5つのタイプを見ていきましょう。
1. ファットFIRE(Fat FIRE):豊かな早期リタイア生活
特徴
「ファット(Fat:豊かな)」という名の通り、最も高い生活水準を維持しながら早期リタイアを目指すタイプです。生活費の目標設定が高いため、当然ながら達成に必要な資産目標額も最大となります。
- 生活水準: 贅沢とまではいかなくとも、現役時代と遜色ない、あるいはそれ以上の高水準な生活を想定します。旅行、趣味、教育、医療など、金銭的な不安なく楽しめる余裕を持ちます。
- 目標資産額: 年間支出が1,000万円を超えるような高額になるため、約2.5億円~4億円以上という非常に大きな資産が必要となります(4%ルールに基づく)。
- リタイア後: 完全に仕事から離れ、自由に時間を使います。生活費に余裕があるため、資産運用のリスク許容度を低めに設定できることも利点です。
向いている人
高収入の専門職や経営者など、元々の貯蓄・投資ペースが非常に速い人。リタイア後も生活レベルを落としたくないと考える人。
2. リーンFIRE(Lean FIRE):ミニマム生活での最速リタイア
特徴
ファットFIREとは対極に位置するのが「リーン(Lean:無駄のない、スリムな)」FIREです。支出を極限まで抑えたミニマリスト的な生活を前提とし、その分、最速での早期リタイアを目指します。
- 生活水準: 最低限の生活に必要な費用のみを支出します。住居費や食費を徹底的に削減し、所有物を減らすなど、倹約を美徳とするライフスタイルを維持します。
- 目標資産額: 年間支出が250万円~400万円程度と低く設定されるため、必要な資産目標額は約6,000万円~1億円程度と、他のタイプに比べて最も低くなります。
- リタイア後: 経済的な自由を得ることはできますが、生活水準は低く保たれるため、予期せぬ大きな出費(医療費など)には備えが必要です。
向いている人
お金よりも「時間」を最優先する人。シンプルな生活に価値を見出し、極度の倹約を苦にしないミニマリスト志向の人。
3. バリスタFIRE(Barista FIRE):仕事の「楽しさ」と自由のバランス
特徴
「バリスタ(Barista)」FIREは、早期リタイア後も最低限の収入を得るための仕事を続けるタイプです。名前の由来は、生活費を稼ぐためにカフェのバリスタのような、低ストレスで好きな仕事を選ぶというイメージからです。
- 生活水準: リーンFIREよりは余裕がありますが、ファットFIREほど高水準ではありません。
- 目標資産額: 全生活費の25倍ではなく、生活費の一部(例えば50%)を賄える分の資産を目標とします。残りの生活費はパートタイムの仕事で稼ぎます。例えば、年間支出400万円のうち200万円を資産運用で、残り200万円を仕事で賄います。必要な資産額は5,000万円程度など、リーンFIREと同等かやや低い程度です。
- リタイア後: 経済的なプレッシャーから解放され、好きな仕事ややりがいのある仕事だけを選んで働くことができます。資産の取り崩しペースも遅くなるため、資産寿命が延びるという大きな利点があります。
向いている人
仕事自体は嫌いではないが、フルタイムのストレスや人間関係から解放されたい人。社会との繋がりを保ちたい人。資産運用だけでは不安なため、キャッシュフローの一部を確保したい人。
4. サイドFIRE(Side FIRE):収入源の多角化と精神的安定
特徴
バリスタFIREと似ていますが、「サイド(Side:副業、副収入)」FIREは、リタイア後もサイドビジネスやフリーランス活動など、自分のスキルや興味を活かした複数の収入源で生活費の一部を賄うことに重点を置きます。
- 生活水準: バリスタFIREと同様に、中程度の生活水準を目指します。
- 目標資産額: バリスタFIREと同様に、生活費の一部を賄える資産を目標とします。違いは、仕事が「時給労働」か「ビジネス・スキルベースの収入」かという点です。サイドFIREでは、より収益性の高い活動を想定することが多いです。具体的な金額の例としては、年間支出400万円のうち200万円を資産運用で、残り200万円を事業収入で賄います。必要な資産額は5,000万円程度となります。
- リタイア後: 自分のビジネスやプロジェクトに時間を費やせるため、自己実現の側面が強いのが特徴です。収入源が複数あることで、資産運用の変動リスクや単一の仕事の不安定さから守られるというメリットがあります。
向いている人
起業家精神があり、自分のスキルやアイデアでお金を稼ぐことに喜びを感じる人。完全に仕事を辞めるのではなく、ライフワークとして関わりたい人。
5. コーストFIRE(Coast FIRE):長期運用による達成を目指す
特徴
「コースト(Coast:惰性で進む、流れる)」FIREは、早期リタイアの準備段階に焦点を当てたユニークなタイプです。これは、「必要な資産額を早期に貯蓄し終え、あとはその資産を長期運用で複利成長に任せる」というアプローチです。
- 生活水準: 達成前の生活水準は、通常の生活費を稼ぐための仕事(フルタイムでも可)を続けるため、比較的自由度が高いです。
- 目標資産額: 「リタイア目標年齢(例:65歳)までに、運用だけで必要なFIRE資産額に到達する」ために、現時点で必要な資産額を目標とします。これは、フルFIREの目標額よりも遥かに低い額です。例えば、30歳で500万円を貯め、これを年7%で35年間運用すれば、65歳で5000万円を超える計算になります。
- 達成後: この初期目標額を達成した後は、追加の貯蓄や投資を完全に停止します。現在の仕事の収入は、全て現在の生活費に使って良いことになります。つまり、ストレスの少ない仕事に転職したり、働く時間を減らしたり、単に趣味や旅行に多くのお金を使ったりと、即座に「経済的自立の恩恵」を享受できるのが最大の特徴です。
向いている人
若いうちから資産形成に励むことができ、複利の力を最大限に活用したい人。FIRE達成までの道のりの中で、精神的な余裕や自由を求める人。
FIRE達成へのロードマップ:共通のステップと心構え
上記5つのタイプは異なりますが、FIREを達成するための基本的なアプローチは共通しています。
1. 支出の把握と削減(家計の最適化)
FIREの第一歩は、現在の年間支出を正確に把握することです。リーンFIREを目指す場合は徹底的な削減が必要ですが、他のタイプでも、無駄な支出を削減することは目標達成期間を短縮する最も効果的な手段です。特に、住居費、車両費、保険料といった固定費の見直しが重要になります。
2. 目標資産額の設定と貯蓄率の最大化
年間支出が確定したら、「4%ルール」に基づき、その25倍の目標資産額を設定します。
目標資産額 = 年間支出×25
この目標額を何歳までに達成したいかによって、必要な貯蓄率(Saving Rate)が決まります。貯蓄率が高ければ高いほど、リタイアまでの期間は劇的に短縮されます。FIRE界隈では、収入の50%以上を貯蓄・投資に回すことが推奨されます。
3. 投資と資産運用の開始
単なる貯金ではFIREは達成できません。資産を増やし、不労所得を生み出すためには投資が不可欠です。一般的に、S&P 500などの広範なインデックスファンドへの長期・積立・分散投資が、FIREムーブメントの主流戦略です。資産運用から得られるリターンが、インフレを上回り、目標とする4%の取り崩し率を支える基盤となります。
4. ライフスタイルの選択と調整
目標資産額を達成した後、どのタイプのFIREを選択したかによって、リタイア後の生活が異なります。
- ファットFIRE: 裕福な生活を満喫し、投資からの収入のみで生活します。
- リーンFIRE: 節約生活を続け、資産を維持します。
- バリスタ/サイドFIRE: 資産収入に加えて、楽しみながら少額の労働収入を得て生活にハリを持たせます。
- コーストFIRE: 早期に初期資産目標を達成した後、通常の仕事を続けつつ、追加の貯蓄をせず生活の質を向上させます。
まとめ:FIREは「お金」ではなく「選択の自由」
FIREは、単に「早く仕事を辞める」ことではありません。それは、「お金のために働くという義務から解放され、いつ、どこで、何を、誰と、どれくらいするかを自分で選択できる自由」を勝ち取ることです。
ファットFIREのように大きな目標を目指す人もいれば、リーンFIREのようにシンプルな生活で早期の自由を選ぶ人もいます。また、バリスタやサイドFIREのように、仕事と自由をバランスよく組み合わせる道もあります。そして、コーストFIREのように、達成までの道のりそのものをストレスフリーにする戦略もあります。
どのタイプを選ぶかは、あなたの人生における「幸福度」の定義によって決まります。FIREは、現代社会における新しい「豊かさ」の定義を問いかけ、私たちに人生の主導権を取り戻す機会を与えてくれる、強力なロードマップなのです。
あなたにとって最適なFIREの形を見つけ、今日からその一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

蓄財してFIRE出来れば、時間的な豊かさも得られるでしょう。
それでは、また🐱


